いいづか雛のまつりを歩く 旧伊藤伝右衛門(嘉納伝助)邸編
2014年2月22日(土)は、JR鯰田駅で開催されたJR九州ウォーキングに参加してきました。
今回のウォーキングも2014年2月8日(土)から2014年3月31日(月)まで開催されている第14回 いいづか雛のまつりとのタイアップでした。今回はスタート地点から旧伊藤伝右衛門邸までの様子を報告したいと思います。
JR九州ウォーキング
鯰田駅:第14回いいづか雛のまつりを満喫
(コース距離:約10km)
コース詳細
当日マップ
■JR鯰田駅(スタート地点) [地図]
午前9時頃、スタート地点のJR鯰田駅に到着。駅前の駐車場には大勢の参加者で賑わっています。駅舎がかなり新しかったが最近建て替えられたのでしょうか?
スタート受付を済ませ、駅そばの遠賀川河川敷を飯塚市街地方面へと歩いて行きます。この日は快晴で気温も高く、絶好のウォーキング日和でした(^▽^*)
約2km程河川敷を歩き終えた後、橋を渡り次の目的地である旧伊藤伝右衛門邸へと向かいます。
■旧伊藤伝右衛門邸会場(邸内一部撮影不可) [地図]
前々から行きたいと思っていたが、飯塚市街地から少し離れた場所にあるためなかなか来れずにいた旧伊藤伝右衛門邸。念願かなってようやく訪問することができました。ここも第14回いいづか雛のまつりのイベント会場の1つです。
【旧伊藤伝右衛門邸】明治期に建てられ、大正期・昭和初期に増築された近代和風建築物としてその粋を凝らした豪邸には、九州初の水洗トイレや、洋風の応接室、その暖炉にはアール・ヌーヴォー調のタイルなど、その時代の最先端の物が使われています。広大な庭園とともに歌人の柳原白蓮が伝右衛門の妻として約10年間を過ごしたゆかりの建物として飯塚市内に残る数少ない石炭遺産であるとともに「炭鉱王 伊藤伝右衛門」の功績を伝える唯一の文化遺産です。
この長屋門は昭和2年に漏電により焼失した伊藤家の別邸、通称銅御殿の表門を移築したものです。威厳と風格を感じさせる門構えですね。受付でJR九州ウォーキング参加割引の240円を払って入館します。
元内閣総理大臣麻生太郎氏が揮毫した文字を転写して作成された看板。ちなみにこの看板、2011年に盗難の被害に遭っています。
▲旧伊藤伝右衛門邸見取り図
▲南棟
表玄関。ここから履物を脱いで中に入ります。
玄関正面にはお雛様が飾られており、高田忠周書の扁額が掲げられています。
表玄関のすぐ左手はこの屋敷唯一の洋間である応接室です。大理石で造られた暖炉はひときわ目を引きます。
窓の上部にはダイヤ模様のステンドグラスがはめ込んであります。
そして表玄関の右手は書斎です。ここの壁は帯を解いた絹の繊維を塗りこめた珍しい布壁となっています。
居間では日本一小さな雛の座敷雛と雛軸が展示されていました。
▲繋棟
繋棟の廊下を通って北棟へと向かいます。
▲北棟
本座敷では日本の昔話をテーマにしたおとぎ話の座敷雛が並び圧倒されてしまいました(゚0゚;)
かぐや姫、浦島太郎、一寸法師に桃太郎などおとぎ話の主人公たちが所狭しと飾られています。
官兵衛さんもいらっしゃいました^^
床と並行なのに天井板の工夫により傾斜したように見える矢羽天井の廊下です。
長い廊下沿いにはさげもんがぶら下がっています。
主人居間では江戸時代から大正時代にかけての数々のお雛様が展示されています。
東座敷では皇太子・雅子妃御成婚雛が展示されています。そしてこの部屋では過去将棋の女流王位戦が行なわれたそうです。
九州初の水洗式トイレです。
骨薫蔵では炭鉱王伊藤伝右衛門の功績を紹介するパネルなどが展示されていました。
▲2階
2階部分は明治44年の白蓮の嫁入りをきっかけに増築されており、ここが白蓮の個室になりました。伝右衛門自ら考案した細工や庭の景色にまで、白蓮を想う気持ちが表れています。
チューリップ型にデザインされた取っ手をあしらった銀箔の襖
竹の節だけ残した透かし細工の欄間
ここからの庭園の眺めは格別でした。白蓮も庭園を見下ろしながら、歌を詠んでいたのでしょうか
▲西棟
洗面所には飾り枠が美しい洗面鏡があります。
浴室は檜のお風呂で、床はモザイクのようにタイルで模様が入っていました。
白蓮の希望を入れて洋風に作り直した食堂です。
茶の間です。
内玄関です。建築当初は長屋門の正面に位置する表玄関でしたが、大正6年頃の増築により内玄関になりました。玄関いっぱいに貝合わせが展示されています。
台所・炊事場です。
西座敷です。等身大の羽子板が設置されており、多くの方が記念撮影をされていました。
道具蔵では、ユネスコの世界記憶遺産に登録された筑豊の炭鉱画を描いた記録画家山本作兵衛が飯塚市に寄贈した原画を展示しています。蔵内は撮影禁止です。
邸内の見学はここで終わり、建物から出て庭を散策してみます。
▲白蓮館(館内撮影禁止)
白蓮にまつわる資料を集めた資料室になっています。ここには白蓮が愛用したチャイナドレスなどの遺品や色紙が展示されています。
▲書生棟
ここは休憩所として使われています。白蓮と学生時代に親交があった「赤毛のアン」の翻訳者村岡花子の生涯が26年度NHK連続テレビ小説「花子とアン」で放送されます。それにちなんで、白蓮と花子を結びつける品々、プリンス・エドワード島を紹介する資料などが展示されていました。
▲庭園
こちらの庭園は2011年に国の名勝に指定されています。
あずまやから先ほどまで見学していた邸宅を眺める。邸宅も庭園も目を見張るところばかりで念願の旧伊藤伝右衛門邸に来れて本当によかったです(^o^)
旧伊藤伝右衛門邸を後にし、飯塚市街地に向かって歩いて行きます。
柳原白蓮(葉山蓮子)編に続く
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